ソニーは、中鉢良治(ちゅうばちりょうじ)社長の事実上の更迭により、ハワード・ストリンガー会長が主導する経営体制を強める。二人三脚で進めてきた「エレクトロニクスへの回帰」が、薄型テレビなどデジタル家電の販売不振で行き詰まっているためだ。今後は、映画やゲームといった「ソフト」に活路を求める傾向を強めそうだ。(香取直武) ストリンガー会長は27日の記者会見で、今回のトップ人事の狙いについて「改革や成長戦略を加速させるため、(部門トップと)私との間にもう一人はいらない」と述べた。 中鉢社長とともにエレクトロニクス部門を担当してきた井原勝美副社長も6月に金融子会社に転出することが決まった。エレクトロニクス部門の不振の責任を2人で負ったとの見方が多い。 中鉢社長は2005年6月、薄型テレビの出遅れなどで苦しんでいたエレクトロニクス部門の復活を期待されて就任した。韓国・サムスン電子と提携して液晶テレビ「