肥満と飢餓 世界フード・ビジネスの不幸のシステム ラジ・パテル 作品社 2010 Raj Patel Stuffed and Starved 2007 [訳]佐久間智子 編集:内田眞人 装幀:伊勢功治 世界で10億人が飢餓に喘ぎ、10億人が肥満に悩んでいる。「肥満はもはやアメリカの流行病だ」と言ったのはタバコ大手のフィリップ・モリスの副社長ジェイ・プールだった。そういうふうにしたのは、ゼネラル・フーズとクラフトを80年代後半に買収した当のフィリップ・モリスだ。おかしな言い分だ。 クラフトはゼリーブランド「JELL−O」から子供用のパック食品「ランチャブルズ」までを売りまくって、つねにナビスコやゼネラルミルズやハーシーと争ってきた大手フードメーカーである。菓子大手のキャドバリーを買収してからやたら強気になっている。 アメリカの主要都市で「エブリデー・ロープライス」(毎日、低価格)を謳うスーパ
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