「残酷な神が支配する」は「プチフラワー」にて1992年から2001年まで連載された長編サスペンス漫画でございます。 (萩尾望都「残酷な神が支配する」全17巻) ある悲しみの話をしようと思う いや僕がその悲しみに気付くのはもっとあとの事で とりあえず今日は ───葬式だ 12月のそぼ降る小雨の中、イアンは何度も倒れてしまいそうになるジェルミの身体を支えていました。 ジェルミは母のサンドラがイアンの父であるグレッグと再婚した為3か月前にボストンからイギリスへやって来ました。 その葬式はサンドラの葬式で、集まった人々は突然自動車事故で亡くなったまだ若く美しかった故人を悼む一方、車を運転していたグレッグも意識不明ではもう時間の問題だろうと囁きあいました。 イアンはヒソヒソと耳に入って来るそんな囁きに「よしてくれ父はまだ生きてる」と耳をふさぎたいような思いでいました。 その時、茫然自失としたジェルミ