卑劣なイスラム教徒いじめもここまで来たか、と思わせる政党CMがスウェーデンに表れた。ブルカに身を包んだ集団が、歩行補助車を押して銀行窓口へ向かう老女から金を奪おうとする。 このCMは、欧州で強まるイスラム教徒恐怖症の証しであると同時に、世界的な景気後退の産物でもある。 CM中、奥にいる銀行員のような男女が数えているのは国家予算。頭上のカウンターに表示されるその額は、ものすごいスピードで減っていく。その下で、ベビーカーを押すイスラム教徒の女性たちがスウェーデン人の老婦人を追いかける。最後に舞台は暗転し、不吉な暗示で終わる。「年金生活者」と書いたレバーを引くか、それとも「移民」と書いたレバーを引くか──。つまり、両方の面倒を見る金はない、と言うわけだ。 不況がスウェーデン人の反イスラム感情を煽っているのは間違いない。このCMを作ったのは反移民を掲げる極右政党スウェーデン民主党。9月19日の総選