先週(10月27日)発売の「週刊文春」(11月3日号)に、昨年のレコード大賞に関する疑惑を告発する記事が掲載された。 昨年のレコード大賞は、「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE」(以下「三代目」と略称)の「Unfair World」が受賞したのだが、その選考の裏で、現金が動いていたというのだ。 記事では、レコード大賞を受賞した三代目の所属する芸能事務所である「LDH」に対して、一部で「芸能界のドン」と呼び習わされている大手芸能事務所「バーニングプロダクション」(社長・周防郁雄氏)が、「年末のプロモーション業務委託費」の名目で1億円を請求していた事実を挙げており、その証拠として、株式会社LDH様宛ての額面 ¥108,000,000 の請求書の写真が添えられている。 記事と写真を見て、私は、 「これは大変だ」 と思った。 音楽業界の腐敗を知ったからではない
2016年10月20日正午過ぎ、記者は東京ビッグサイト(東京江東区)で、ある講演に耳を傾けていた。壇上で話していたのは、米ローカル・モーターズでメカニカル・エンジニアを務めるジェームズ・アール氏。ローカル・モーターズというのは2014年、世界で初めて3Dプリンターで“印刷”したEV(電気自動車)を開発したベンチャー企業だ。 同社は3DプリンテッドEV「Strati(ストラティ)」の車体を丸ごと印刷して作っている。下の写真がその様子。他社と共同で開発した巨大な3Dプリンターは、材料であるCFRP(炭素繊維強化樹脂)を1時間に16kgも吐出できるため、車体も含む1台分の部品を「28時間ほど」(アール氏)で作れるという。
電車内で化粧をする女性を「みっともない」という言葉で切って捨てるマナー広告が物議を醸している。 現物を見てみよう。 炎上しているブツは、リンク先のページ(私の東急線通学日記)の上から4番目、「車内化粧篇」だ。 リンク先には、駅貼りポスターと、動画バージョン(マナーダンス篇)が掲載されている。 ポスター版では、上半分に頬杖をついて車両内を観察する主人公の女の子、下半分に電車の座席に座って鏡に向かってアイメイクをしている女性の写真を配置している。 キャッチコピーは、手書き文字でこう書かれている。 「都会の女はみんなキレイだ。」 「でも時々、みっともないんだ。」 動画版は、車両の向かい側の座席で化粧をする女性たちを見て、顔をしかめて 「みっともな!」 とつぶやいた(「吐き捨てた」と言った方が正確でしょうね)主人公の女の子が、突然メイクアップ中の女性たちに向かって「マナーダンス」という攻撃的な振り
蓮舫議員の出自をめぐる話題が炎上している。 騒いでいる人たちは、彼女が「二重国籍」である可能性を疑っている。そして、彼女が二重国籍なのだとすると、それは国を代表する政治家としてふさわしくないと言い張っている。 「私は蓮舫議員の出自を問題視しているのではない。国籍に関する法的な処理の細部をあげつらおうとしているのでもない。ただ、公党の代表選に出馬する人間としての説明責任を問うているだけだ」 という感じの、より慎重な言い方で彼女の非を鳴らしている人々もいる。 個人的に、後者の主張は、卑怯な姿勢に感じられる。 実際には出自にツッコミを入れているにもかかわらず、表面上はあくまでも「政治家としての質問への答え方」を問題にしているかのようなポーズをとっているからだ。 出自や血統が気に食わないのなら、思っている通りにそう言えば良い。 出自を持ち出すことに後ろめたさを感じるのであれば、はじめから何も言うべ
「障害そのものは、何も特別なことではありません。でもあなたの障害に対する意識について考えることは、あなたを特別な存在にします」 障害に対する意識――。みなさんは、この言葉の意味がわかるだろうか? 実はこれ、2014年12月に32歳で亡くなった、車椅子のジャーナリスト兼コメディアンのステラ・ヤングさんが、常に私たちに問うてきた有名なフレーズである。 ステラさんは生まれた時に、「骨形成不全症」という骨の成長障害であることがわかり、医師からは「1歳まで生きられないかも知れない」と宣告されたという。だが、その後、車椅子で走り回る元気な子にすくすくと育ち、オーストラリアのディーキン大学に進学。メディア論と教育学を学び、高校の教師になった。 亡くなる数年前からは、障害アクティビストとして活躍し、「気の毒な障害者」という従来の概念を打ち破る率直な発言で人気を集めた。ときにシニカルに、ときに非情なまでに冷
「ディープラーニング(深層学習)専用プロセッサ『Tensor Processing Unit(TPU)』を開発し、1年前から使用している」――。米GoogleのSundar Pichai CEO(最高経営責任者)は2016年5月18日、開発者会議「Google I/O 2016」の基調講演で、同社の人工知能(AI)の知られざる秘密を明らかにした(写真1)。 TPUはディープラーニングのために開発したASIC(Application Specific Integrated Circuit、特定用途向けIC)で、GPU(Graphic Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)といったディープラーニングの処理に使用する他の技術と比較して「消費電力当たりの性能は10倍」(Pichai CEO)だという(写真2)。 同社は2014年から
日銀が1月29日に導入したマイナス金利は、収益圧迫懸念増大から銀行株の急落に結び付いたほか、消費者のマインドを「守り」に追いやるなど、負の側面がクローズアップされている。この政策は少なくとも初期段階では失敗に終わったとみる向きが、市場では多い。 日本(さらには米国や欧州)の長期金利のレンジを押し下げるという点においては確かに、日銀のマイナス金利は大きな効果を発揮している。日本の債券市場では3月下旬、40年債を含むすべての年限の国債の利回りが0.5%を下回る日が複数あった。 だが、そのことが住宅投資や設備投資の「起爆剤」になるとは、到底考えられない。もともときわめて低い水準となっていた長期金利が追加的に低下することによる刺激効果は、ごく限られたものにとどまる可能性が高い。 住宅市場では分譲マンションを中心に、庶民の手が届かないところまで高くなってしまった物件価格という強い逆風が吹いており、こ
行方不明になっていた埼玉県朝霞市の女子中学生が2年ぶりに保護された事件の全容は、いまのところまだよくわかっていない。 よくわかっていないことがその通りなのだとして、この事件を、果たして、当事者でない私たちがよくわかるべきなのかどうか、私には、そこのところがよくわからない。 まわりくどい書き方をしてしまった。 つまり、何を言いたいのかというと、私は、こういう事件が起こる度に、事件の詳細を報じることに果たして公共性があるのかを、いつも考えこんでしまうということだ。 既に、事件の背景や細部について、あまりにも多くの憶測が垂れ流され、必要以上にあけすけな推理や分析がやりとりされている。個人的には、被害者の少女が無事に保護され、容疑者の身柄が確保された旨が既に報じられている以上、これより先の報道はとりあえず不要なのではあるまいかと考えている。 容疑者を犯行に至らしめることになった文化的な背景や、監禁
テレビの情報番組などでコメンテーターとして活躍していた男性が、経歴を詐称していたということで、ちょっとした騒ぎになっている。 この2日ほどのうちにいくつかのメディアが報道した内容を総合してみるに、件の人物の詐称はなかなか念が入っている。最初の学歴からはじまって、留学経験、MBA資格から、経営コンサルタントとしての業務実態、年商、オフィスの住所、本名、出自に至るまでの一通りの要素が「ウソ」であったことが既に明らかになっており、「イケメン」として厚遇される理由になっていた顔も、美容整形の結果である可能性が濃厚なのだという。 この結果に世間が驚いているのかというと、もちろん驚いている人たちもたくさんいるのだが、ネット内の評判では 「そんな気がしていた」 という声が、意外なほど大きい。 「最初からあやしいと思っていた」 「一目見てうさんくさいヤツだと確信していた」 「あの鼻はなにごとだと常々不審に
「日銀が国債を全て買い切れば、「国民負担無し」で財政再建が終了する」といった主旨の言説がネット上で流布している。だが、これはウソで誤解である。以下、順番に説明しよう。 第1の理由は、金融政策は資産の「等価交換」で、日銀が買い取る国債を支えているのは主に我々の預金だからだ。仮に日銀バランスシートの大部分を占める日銀保有の国債と日銀当座預金(準備)を互いに相殺すれば、我々の預金の一部が消滅する。この意味を理解するため、以下の簡易ケースで考察してみよう。 現実の経済にはいくつもの異なる家計や企業、銀行などの金融機関が存在しているが、政府部門と日銀のほか、一つの民間銀行しか存在しないものとする。また当初、政府部門、日銀、民間銀行のバランスシートは以下の通りとする(注:簡略化するため、日銀が保有する国債以外の資産や自己資本のほか、民間銀行の自己資本などは無視する)。 日銀が国債を償却すれば民間の預金
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