冬晴れの神宮で、体重103キロの筋骨隆々のたくましい体が、7度宙に舞った。「ミスター独立リーグ」と呼ばれた男の引退セレモニーが行われたのは、1月11日のこと。四国アイランドリーグプラスの徳島で主砲として活躍した根鈴雄次(39)は高校中退して渡米、23歳で法大入学。卒業後、2000年に再渡米すると、いきなり3Aで活躍。ひょっとしたら、あのイチローよりも先に、日本人野手初のメジャーリーガーになっている可能性もあった。NPBでのプレー経験はないが、5カ国・14球団を渡り歩いた根鈴は今季から徳島のアシスタントコーチに就任。第2の野球人生を踏み出す前に、波瀾(はらん)万丈のキャリアを振り返ってもらった。(喜瀬雅則) --引退試合を終えた気持ちは? 「引退するのか…って感じですね。なんか、無理やり、区切りをつけさせられた感じもしましたね。もし現役に戻るようなら『(引退試合に)かかった費用を請求しますか