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ブックマーク / saebou.hatenablog.com (9)

  • こんなにでかいものを人を殺すためだけに…アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館 - Commentarius Saevus

    アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館に行ってきた。3.5時間の英語のガイドツアーを予約し、途中で気分が悪くならないように朝は少なくし、昼も抜くという万全の準備で出向いた(以前、ベルリンのホロコーストメモリアルとロマ・シンティの弾圧祈念碑を見ただけで胃が痛くなったので、世界遺産の中で万一気分が悪くなると困る)。 夏なので大混雑で、予約なしで行くと並ばないと入れないらしい。英語とポーランド語のツアーは15分から30分に1回くらい開催されているが、この時期は予約しないと入れなかったりするらしい。通常ツアーでも3.5時間かかる。 入るとまずビデオを見る。このビデオが他言語で、入り口でもらったヘッドホンを脇に刺し、15種類くらいある中からわかる言語の音声を選ぶこともできる。日語は14番だった。 ヘッドホンを指す装置 そこからガイドツアーになるのだが、いろいろな言語のツアーが展開されているので、ガ

    こんなにでかいものを人を殺すためだけに…アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館 - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2024/08/07
    ”ビルケナウのクレマトリムは破壊されている。” ガス室と焼却炉の複合施設で証拠隠滅のため破壊されたと聞いた。 保存するの大事。
  • ある種のハグスプロイテーション映画~『ボーはおそれている』(試写) - Commentarius Saevus

    アリ・アスター監督の新作『ボーはおそれている』を試写で見た。 www.youtube.com ボー(ホアキン・フェニックス)は母モナ(パティ・ルポーン)のところに帰省するつもりだったが、寝坊した上に自宅の鍵を盗まれて飛行機に乗れなくなる。その後受け取った母が異常死したという知らせに動転したボーは、いろいろあって事故にあってしまう。大けがをしたボーは医者一家の家で目覚めるが… 全体的にこれまでのアリ・アスター映画とは大きく異なり、ジャンル映画ではない…というか、精神分析みたいないかにもアートハウスっぽい映画である。何に似ているかというと、どっちかというとホラー映画よりはフェリーニの『8 1/2』みたいな、個人的体験をシュールに再構成して換骨奪胎した作品に似ている。笑えるところはけっこうあるし、ホアキン・フェニックスの演技は良いのだが、とにかく長いし、要らないところがけっこうある映画だと思った

    ある種のハグスプロイテーション映画~『ボーはおそれている』(試写) - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2024/02/10
    ハグスプロイテーション映画ってのがあるのか。 wikipediaに例として出てる「何がジェーンに起ったか?」 でなるほどてなった。
  • 一番セックスしない奴が勝つスラッシャー映画~『首』(ネタバレ・下ネタ注意) - Commentarius Saevus

    北野武監督『首』を見てきた。 www.youtube.com 織田信長(加瀬亮)の家臣たちの権力闘争を軸に能寺の変とその後の展開を描いた時代劇である。史実に忠実かどうかはあまり考えず、家臣たちの憎々しく暑苦しい人間関係や策謀を描くことに重点を置いている(このへんちょっとコーエン兄弟の『ミラーズ・クロッシング』に似ていると思った)。暴力描写も最初から最後までけっこうすごいが、笑うところはたくさんある。とくに豊臣秀吉(監督人)、羽柴秀長(大森南朋)、黒田官兵衛(浅野忠信)のやりとりはまるでコントみたいである。 一応時代劇…なのだが、なんか一番セックスしない奴が生き残るスラッシャーホラー映画みたいな作品である。スラッシャームービー(slashじゃなくてslasherのほう。まあこの映画はslashでもあるのだが)といえばセックスにふけるティーンエイジャーが殺され、性的に純潔なファイナルガール

    一番セックスしない奴が勝つスラッシャー映画~『首』(ネタバレ・下ネタ注意) - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2023/12/20
    ”本作も恋愛やセックスを人間のイヤなところを引き出し、不幸にするものとして大変ネガティブに描いている作品である。” 生々しいのはよろしくないがサイドキックとの関係性は良いという点で連想するものが。
  • 佐藤由美子さんの「日本語版ウィキペディアで「歴史修正主義」が広がる理由と解決策」について - Commentarius Saevus

    ここ数日よく読まれているらしい、佐藤由美子さんの「日語版ウィキペディアで「歴史修正主義」が広がる理由と解決策」というエントリを読みました。こちらは月末の学会で発表するための準備のようなものだということです。 yumikosato.com こちらについて、日語版ウィキペディアに歴史修正主義がはびこっているとか、間違いだらけだということについては私もとくに異論はないのですが(間違いだらけで信用できないということは私もメディアに出るたびに言っているし、できるところは対処してます)、いくつかけっこう大きな事実誤認や、ウィキペディアの手続きに関する理解不足と思われるところがあります。ブログのコメント欄に書いて指摘したのですが、スパムフィルタか何かに引っかかったのか反映されていません。学会で発表するということであればウィキペディアじたいの仕組みについて誤解があるままだとあまり良くないだろうと思うの

    佐藤由美子さんの「日本語版ウィキペディアで「歴史修正主義」が広がる理由と解決策」について - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2021/01/18
    “学会で発表するということであればウィキペディアじたいの仕組みについて誤解があるままだとあまり良くないだろうと思うので”に続く指摘項目が割と致命的に見えるのですが…
  • 空虚な中心としてのジョン・デイヴィッド・ワシントンの身体~人種映画としての『TENET テネット』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    クリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』を見てきた。既にいろいろなレビューで出ているとおりやたら複雑で、しかもネタバレをしないほうがよさそうな映画なのであまり詳しいことは書かないが(ただしこのレビューは多少ネタバレがある)、とりあえずはジョン・デイヴィッド・ワシントン演じるエージェントが世界を破滅から救うべく活躍する作品である(こう書くとなんか007やミッション:インポッシブルシリーズとどう違うんだという感じだが、まあ話としてはあのへんと大差ない発想で作られている)。 www.youtube.com …で、世間で話題なのは構成の複雑さとかタイムトラベルとかなのだが、私がこの映画で最も気になったのは人種である。というのも、この映画は人物造形がめちゃくちゃいびつで、そのせいでたぶん全く意図せず現代の大作映画における人種の力学がはっきり出てしまったような作品になってしまっている

    空虚な中心としてのジョン・デイヴィッド・ワシントンの身体~人種映画としての『TENET テネット』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2020/09/23
    ”あとアーロン・テイラー=ジョンソン演じるアイヴズも、背景はわからないがそこそこ魅力はある" 髭の英国人指揮官はだいたいプライス大尉 / ブルックス・ブラザーズのスーツなんか着るなと言われるシーンが好き
  • ちゃんとした恋愛映画〜『デッドプール』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『デッドプール』を見てきた。 話はたいへん単純な復讐劇で、悪党のせいでアイデンティティと愛を失った男が復讐を遂げるというものである。主人公ウェイド(ライアン・レイノルズ)は恋人ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と幸せに暮らしていたが、ある日突然ガンが発覚。治療のため怪しい人体実験に参加するが、このせいで皮膚がただれた不死身の超人になってしまう。ウェイドはデッドプールという変名で復讐に邁進するが、変わり果てた姿になってしまったためヴァネッサに再会したら拒絶されるのではと不安に思っており、自分が死んだと信じているヴァネッサの前に姿を現すことをためらい続ける。ところがヴァネッサが敵であるフランシスに誘拐され… ところが、この単純な復讐譚を時系列をバラバラにして、さらに独白、傍白、第四の壁の突破(これ全部違うので注意)などいろいろなテクニックを使って撮影しているので、話がものすごくシンプルなわりに

    ちゃんとした恋愛映画〜『デッドプール』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2016/06/06
    “ロクに保険も福祉もないアメリカでは、『ブレイキング・バッド』や『デッドプール』みたいに病人がヤバい金儲けやヤバい治療法に頼るというストーリーがけっこう心情的に理解しやすいのだろうと思う”
  • 明日、そのまた明日も、メソッド役者はクズ〜『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 - Commentarius Saevus

    『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を見た。 主人公は落ち目のハリウッドアクションスター、リーガン(マイケル・キートン)。かつて『バードマン』というシリーズで一世を風靡したがしばらくの間鳴かず飛ばずで、起死回生の一打としてブロードウェイに進出し、レイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに我々の語ること』を自分で舞台化・主演して再起をはかろうとする。リハーサルで降板した俳優のかわりとして、共演者であるレスリー(ナオミ・ワッツ)の恋人マイク(エドワード・ノートン)が雇われるが、マイクは才能はあるがとんでもなくイヤな野郎。才能あるクズに脅かされ、初舞台で不安なリーガンは精神がどんどん不安定に… これ、舞台好きにとってはたまらない作品だと思う。基的に劇場を動き回るリーガンや協働者たちの動きをほとんどワンショット(!)で撮っており、このコンセプトがむちゃくちゃ演劇的でまず心惹

    明日、そのまた明日も、メソッド役者はクズ〜『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2015/04/16
    (笑) “ただ個人的にこの映画が好きでたまらない点がもうひとつある。それは、この作品はメソッド役者はクズだということを前面に打ち出していることである”
  • お砂糖とスパイスと王子と爆発大盛りで持ってこい!!溢れる女の子の夢だけでできた珍作『ジュピター』(少しネタバレあり) - Commentarius Saevus

    ウォシャウスキ姉妹の新作『ジュピター』を見てきた。一言で言うと「宇宙でプリティ・プリンセス」みたいな… ヒロインのジュピター(ミラ・クニス)はロシアアメリカ人で、母やおばと掃除婦をやり、うるさい家族の干渉に耐えながら細々と暮らしている。ところがジュピターは宇宙のかなりの部分を支配しているアブラサクス一族の亡き女王の生まれ変わりであることがわかり、アブラサクス家の覇権を狙うバレム(エディ・レドメイン)、カリーク(タペンス・ミドルトン)、タイタス(ダグラス・ブース)のきょうだいの争いに巻き込まれる。ジュピターは暗殺される寸前に傭兵ケイン(チャニング・テイタム)によって救われ、女王として即位するが… この映画、とにかく出来がひどい。まず脚がいろいろ問題で、なんか地球がすごい危機に陥ったりするのだがそれが不用意に解決してもう地球の危機とかいらなかったんじゃないのかという気持ちになるし、他にも細

    お砂糖とスパイスと王子と爆発大盛りで持ってこい!!溢れる女の子の夢だけでできた珍作『ジュピター』(少しネタバレあり) - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2015/04/16
    素晴らしい切り口。 フツーの失敗作と思ってた
  • 理想宮か、公共彫刻か?〜『アナと雪の女王』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『アナと雪の女王』を見てきた。私、ディズニーが大っきらいなので金を払って見に行きたくなかったのだが、あまりの評判の良さに敵の軍門に降ってしまった… 好き嫌いはともかくとして、見た後最初の感想は、「これは女子のスター・ウォーズになる」ってことである。今まで「女子のスター・ウォーズ」と呼ばれている作品は『ダーティ・ダンシング』であった。男の子がジェダイに夢中になっている間、女の子は『ダーティ・ダンシング』の台詞を引用しているのだそうだ(私はジェダイ派)。しかしながら『アナと雪の女王』は一言で言うと「暗黒面に堕ちなかったアナキン」の話である。アナキンのフォースもエルサの魔力も非接触型ハンドパワーであるし(←ごめん、もっと気の利いた言い方を思いつけばいいんだけど)、どちらも怖れによって暗黒面に堕ちかけるのだが、怖れを克服できなかったアナキンに対してエルサは愛の力により勝利する。とにかくよくできた映

    理想宮か、公共彫刻か?〜『アナと雪の女王』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    kei_mi
    kei_mi 2014/05/16
    オラフが相手だと呪うのは難しそう “別にエルサがこういうスゴい芸術建築を日々洗練させながら雪だるまを相手に一人で世間を呪いながら暮らしていってもいいんじゃないのか”
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