クラシック音楽に興味を持ったのは14歳の時だった。 それまでは、普通にポップス(ビートルズやグループサウンズ)を聞きあさる中学生。クラシックの楽曲に特に親近感を感じたことはなかったのだが、高校受験真っ最中の冬、いきなり「作曲家になる!」と決めてしまう出来事があった。 それが、オーケストラと「スコア(総譜)」との出会いだった。 スコアはオーケストラの各楽器が演奏すべき「音符」がすべて書き込まれた、機械や建築でいう〈設計図〉、鉄道や飛行機でいう〈時刻表〉、舞台や映画でいう〈台本〉のようなもの。 そこに書き込まれた音符の通りにオーケストラの全楽器が音を出すと、あら不思議。「運命」だの「新世界」だの「悲愴」だの「幻想」だのという音響宇宙が鳴り響くのである。 しかも、それは単なる音の連続ではなく、美しかったり壮大だったり懐かしかったり心震えたり気持ちが昂揚したり、いろいろな感情を心の中に沸き立たせ、
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