「1,2,さんせいとう―!」 季節外れの猛暑日が続いた夏空に響き渡るその声が、日に日に大きくなっていく。 18日間に及んだ今回の参議院選挙。各党がしのぎを削る中、選挙戦に入って一気に注目を集めた存在があった。 その名は「参政党」。 参議院選挙が公示された6月下旬頃から急激に勢いを増し、議席の獲得も視野に入れた新興勢力の選挙戦を追った。 (桜田拓弥) 投票したい政党がないのなら 選挙戦も終盤にさしかかった7月7日。 さいたま市のJR大宮駅前に、こんがりと日焼けした1人の男が降り立った。 神谷宗幣、44歳。 2年前にできたばかりの参政党で事務局長を務めながら、今回、比例代表で立候補した。 (神谷) 「投票したい政党がないから、自分たちでゼロから作りました」 この政治団体を立ち上げた張本人だ。 街宣車の上に姿を現すと、平日の昼間にもかかわらず、あたりを埋め尽くした数百人規模の聴衆から拍手や歓声が