2017 - 04 - 23 ゲンこよ 第2夜『気持ち悪いの正体』 小説 『ゲンさんは今宵も独りである。』(略して『ゲンこよ。』) 第2夜『気持ち悪いの正体』 繁華街から少し離れた場所にある居酒屋『かぶき』。美人女将ミサキが切り盛りしているのだが、今日もお店は閑古鳥が鳴いている。 「聞いてよ、ミサ姉。私が入った会社、女性にお茶くみさせる会社だったんだよ。あり得なくない?同じ新入社員でも男はしないのに、なんで私が女っていうだけでやることになるの?」 新社会人になったばかりのOL小友アカネがカウンター席で管を巻いている。 「そうね。あり得ないわね。でもね、アカネちゃん。20代の女の子が一人でヤケ酒していることも同じぐらいあり得ないわよ?」 「一人じゃないわよ。私には姉さんがいるじゃん。」 「そうね。」 「それにゲンさんもいるじゃん。」 「俺?俺も一緒に吞んでいることになっているの?」 同じく