格安SIMはスマートフォン(スマホ)やパソコンに挿して使う「移動体通信」だけが用途ではない。光ファイバーの代わりに「固定通信」で使う事例も増えている。 今回は特集の最終話として格安SIMを生かした企業WAN(広域ネットワーク)の設計について述べる。 この2年で格段にLTEが強くなったドコモ系MVNO 筆者は2008年から無線回線を固定通信の用途に使っている。当時はイー・モバイルの3G(第3世代携帯電話)スティック型端末をルーターに挿入して使用した。用途はメーン回線のバックアップである。 モバイルを固定通信で使うことは今に始まったことではないのだが、LTEのエリアが広がりかつ「電波が強く」なった結果、LTEをバックアップでなくメーン回線として利用できる環境が整ってきた。 MVNO(仮想移動体通信事業者)のほとんどがLTEサービスインフラとして使っているNTTドコモは、順次使用する周波数帯の拡