「人工細胞」とは? – 細胞を”丸ごと”再構築する合成生物学の挑戦 合成生物学は、遺伝子や分子を人工的に組み合わせることで、生物システムを再構築し理解しようとする学問分野です。合成生物学では、生物システムをデザイン、操作、作製することを目的としています。なかでも、細胞を丸ごと人工的に組み立てようとする「人工細胞」の研究が、今世界的に進められており、日本の研究者はその大きなフラッグシップのひとつとして頑張っています。 なぜ人工細胞を作るのか? という質問をよく聞かれますが、その答え(学術的な意義)は、生命がシステムとして成立する仕組みや条件を完全に理解するためです。生物は非生物である分子や遺伝情報を組み合わせてできているので、何がどれくらい必要かがわかれば、理論的には人間が生物を作ることができるわけです。 もちろん、最初からヒト細胞のような高度な細胞は作れません。作れるのは、きっとラボの中の
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