「木曽路はすべて山の中である」とは島崎藤村の長編小説『夜明け前』の有名な書き出し。川と並行する旧中山道、木曽路の見どころは妻籠宿と馬籠(まごめ)宿だ。南木曽町にある妻籠宿は中山道六十九次の42番目宿場。早くから町並み保存が行われ、江戸時代の面影をよく残す。 43番目の馬籠宿(岐阜県中津川市)は信州と美濃の国境で、石畳の坂道の両側に家々が並ぶ。『夜明け前』の舞台で、宿場町の中ほどに島崎藤村の生家を保存した「藤村記念館」がある。妻籠から旧街道で峠を越えてたどりついた馬籠宿の入り口にある高台からは恵那山や美濃の平野が望める。 「男伊達ならあの木曽川の流れくる水止めて見よ」と木曽節がうたう。止めるどころか激流を電気に変える電源開発を大正時代に成し遂げた男がいる。「相場師」から転身し電力事業で成功した福沢桃介である。 旧中山道の宿場町、妻籠(つまご)は、昔の家並みを美しく保存し観光客が絶えない。そこ
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