単元素のダイヤモンドが紫外線LEDの有力候補に 美しい輝きで万人をとりこにするダイヤモンドは、自然界で生成される物質の中では最も硬い鉱石とされる。炭素原子同士が幾何的に理想的な角度で構成され、ゆがみのない「共有結合」によって飛び抜けた硬度が保たれているからだという。しかし、ダイヤモンドの魅力はその美しさや硬さだけではない。 産業技術総合研究所(産総研)では、2006年8月に科学技術振興機構と共同で、ダイヤモンドの発光ダイオード(LED)を開発した。「発光」とはいえ、単に目に見える光を放つLEDではない。波長が235ナノメートル以下の「深紫外線」を発する、世界で初めてのダイヤモンドLEDである。 紫外線とは、可視光の限界、400ナノメートル以下の波長の光をいうが、特に350ナノ以下の紫外線を深紫外線と呼ぶ。深紫外線はエネルギーが大きいため殺菌や浄水などに利用されているが、現状は高い電圧を使っ