かつて同じ肥前国だった、佐賀県と長崎県。 江戸時代、世界に向けて扉が開かれていた長崎・出島から入った人や物、そして文化は、佐賀を通じて日本全国に広がっていった。いにしえから往来のあった両県だが、いまその関係は、かつてないほどこじれにこじれている。 その原因は「新幹線」。 整備計画の決定から、なんと半世紀近く。 九州新幹線・長崎ルートをめぐる、長崎県と佐賀県の文字通りの「暗闘」を取材した。 (櫻井慎太郎、坂本眞理) 半世紀にしてようやく、のはずが… 福岡県の博多と長崎を結ぶ「九州新幹線・長崎ルート」。 山陽新幹線に乗り入れれば、新大阪まで結ばれる。特に長崎県にとっては悲願だ。 構想が持ち上がったのは昭和47年。翌48年に整備計画が決定、ことしで46年になる。3年後の2022年度、半世紀を経て、“暫定開業”することが決まっている。 対立 その原因は… しかし、“暫定開業”とは、どういうことなの