私もネットで検索してみたところ、海幸彦(火照命)と山幸彦(火遠理命)の挿話中にあるとあったので『古事記』及び『日本書紀』を参照してみたのですが、実は、『古事記』『日本書紀』には、該当する言葉は出て来ませんでした。 ちなみに、この話のあらすじは、はしょるとこんな感じです。 釣りが得意な海幸彦(兄)と狩が得意な山幸彦(弟)が、釣り針(鉤:チと読みます)と弓矢を一時交換したのですが、山幸彦は釣りをしている時に海へ鉤を落としてしまい、兄になじられます。そこで海に入って海神に逢い、鉤を見付けて地上へ帰る時に、海神から言葉を貰います。 しかし、『古事記』『日本書紀』を見ても、ここで『ハルチ…』という祝福の(?)呪文は出て来ませんでした。海神が弟神に授けるのは、兄神に鉤を返す時に唱えるための呪詛の言葉 『この鉤は、おぼ鉤、すす鉤、貧鉤、うる鉤(オボチ、ススチ、マヂチ、ウルチ)』 です。この釣り針を使うと