ハンニバル・レクターは、国勢調査員の肝臓をソラマメと一緒に食べたと言っていますが、学術誌『Scientific Reports』にこのほど掲載された研究論文によると、食人の目的は、カロリー摂取ではなかったようなのです。人肉は、マンモスや、イノシシ、またはビーバーなどと比べても、栄養価が(努力に見合う栄養価値という意味で)低いことがその研究でわかりました。 ヒトの祖先が共食いをしていた理由 この研究の目的は、人肉が体に良いか(念のために言っておくと、一般的に良いとは言えません。また、食人は、非常に重く治療不可能なプリオン病との関連が指摘されている)を検討するために行われたわけではありません。そうではなく、有史以前のヒト科社会(人間と絶滅した猿人が含まれる)における食人習慣の意味をより深く理解するためです。 考古学で、有史以前のヒト科が食人を行っていたとされるのは、その考古学的証拠が見つかって