この夏は異常な暑さが続いています。消防庁のデータでもほぼすべての都道府県で例年よりも熱中症による救急搬送人数は多く、特に8月は昨年よりも大幅に増えています(1)。熱中症に関連する症状で亡くなったお子さんのニュースも耳にするようになりました。 その中で「水分を摂っていたのに亡くなった」という報道をいくつか目にしました。熱中症の予防手段の中で水分摂取は非常に大切です。「心がけていたのにどうして?」と疑問になるのはもっともです。とはいえ、水分摂取の有無ばかりが話題になっているようにも思いました。熱中症予防のカギとなるのは、熱中症が起こるしくみを知ることだと思います。そこで今回はこどもの熱中症について、そのしくみから考えてみたいと思います。 体は汗をかき、皮膚に血液を集めて熱を逃がす熱中症とは「高温の環境下に長時間いることで、体温を平熱に保つために汗をかいたりした結果、体内の水分や塩分が減少し、血