10月24日にスタートした秋ドラマ一番の注目作『エルピス―希望、あるいは災い―』(カンテレ・フジテレビ系)。テレビ局のエースの座から転落したアナウンサーの恵那(長澤まさみ)が、連続殺人事件の犯人とされ死刑判決を受けた男が無実である可能性を知り、若手ディレクター・拓朗(眞栄田郷敦)と共に真相解明に向けて立ち上がる。オリジナル脚本で報道と個人の正義をめぐる物語を描いた渡辺あやに聞いた。 「背後に何が潜んでいるかわからないという怖さがある」 ーー渡辺さんはこれまで『カーネーション』や『今ここにある危機とぼくの好感度について』など、NHKで連続ドラマを書いてきましたが、今回、初めて民放で書くことにしたのはなぜですか? 渡辺あや(以下、渡辺):2016年の春ごろ、プロデューサーの佐野亜裕美さんが私の暮らす島根まで来てくださって「何か一緒に作りましょう」ということになりました。シンプルにそれだけが理由