私たちが知る“性”は、単に遺伝子を混ぜ合わせるための仕組みにすぎないのでしょうか。 ところが今回、イギリスのヨーク大学( University of York)で行われた研究によって、単細胞生物が厳しい環境をしのぐために“細胞を融合し、大きくなって生き残る”という戦略が、性の始まりだったことを裏付ける成果が発表されました。 いま私たちが当然のように享受している性的な繁殖システムは、飢餓や栄養不足など資源が限られた環境下で細胞たちが“資源を持ち寄り、パワーアップする”ために進化したというわけです。 これまで、性の利点といえば専ら“遺伝的多様性”に注目が集まってきました。 しかし今回のモデル解析が示すのは、単細胞が合体して“質量”をかさ上げすること自体が、過酷な状況を乗り越えるカギになっていたかもしれないという新しい視点です。 果たして“性”は本当に危機を乗り越えるための資源共有戦略として生ま
