多くの読者にとって信じ難いのではないかと思うが、1990年のバブル崩壊以降、日本政府が「正しいデフレ対策」を実施したことは一度もない。正しいデフレ対策とは「通貨を発行し、借りて、使え」である。 より具体的に書くと、金融政策(日本銀行の国債買い取り=通貨発行)と財政政策(政府の国債発行と公共投資拡大、減税など)のパッケージである。金融政策と財政政策は、まさにデフレ対策という飛行機の両翼であり、どちらかが欠けてもいけない。 これまでの日本政府は、金融政策のみ(小泉政権など)、あるいは財政政策のみ(麻生政権など)のデフレ対策を実施してきたが、片翼だけではダメなのだ。金融政策と財政政策はあくまで「同時に」実施しなければ、日本経済はデフレという泥沼から離陸できない。 安倍晋三首相が進めるアベノミクスは「2%のインフレ目標」「インフレ目標を達成するまでの日銀の無制限の金融緩和」「復興・防災を中心