書店に並ぶ福本伸行『最強伝説黒沢』11巻(最終巻)の帯に「黒沢、死す!?」なる煽り文句が踊っているのを見て「ひょっとしてあの連載時の最終回の後に加筆があって、何らかの後日譚なり、よもやどんでん返しが書き加えられているのでは」と期待して、パックされて中身が読めない単行本をレジに運んだ人も少なくないだろう。 そういうものは一切ない。黒沢の時間は、やはりあの『ビッグコミックオリジナル』連載時の最終ページ、最後のコマで止まっているのだ。これから単行本を購入する人は、そこは弁えておいたほうがいい。いや、あの帯に版元の姑息な商魂があるかのような妄想に駆られて、つい警告めいたことを書いてしまった。 妄想ついでに触れるなら、あの最終回は賛否両論だったが(否の方が多いか)当初からの構想だったとは思えない。あれはやはり「打ち切り最終回」の一典型ではあるだろう。ただこれもある意味では構想のうちというか、作者福本