私は、考えごとを対話型でしている。脳内会話というものらしい。場合によっては、脳内会議になっていることもある。言葉のやりとりはごく自然に、絶え間なく続いていて、止むのは眠る時と、何かに集中している時くらいだ。 みんなそうだと思っていたので、中学生の頃だったか、なにげなく友だちに話したら、「私は違うよ」と言われ、びっくりしたことを覚えている。 「じゃ、なにしてるの? どうなってるの?」と聞くと、 「特になにも、空白。ずっと頭の中で会話して、考え続けていたら疲れない?」 ほんとに、その通りだ。 近頃「脳疲労」という言葉を耳にして、ぴったりのネーミングに出合えたと感じた。会話でも、会議でも、いたずらに長びくと堂々めぐりになるのは当然の成り行きで、とても疲れる。 この頃では、脳内の不毛な行き詰まり状態に気づくと、 「いま、ここ」 という言葉を繰り返して、自分の呼吸に意識を向けるようにしている。頭から