マスの語源ははっきりしています。謙譲語「参らす」=「差し上げる」が、近世を通じて、マイラスル>マラスル>マルスル>マッスル>マスル>マスとなって丁寧語になりました。マセンがあるように、否定に西日本的なンを使い東日本的なナイを使わないので、江戸に文化の中心が移る前にできたと思われます。尊敬語由来ですから活用は整っていたのですが、現在ではマセン・マシタ・マシテ・マス・マショウ(意思)のみがあり、推量マショウ・マセバ・マセなどはなくなっています。 デスは諸説あります。複数回発生したとする説もあります。 近世初期に「で候」から発生したと言われるデスは狂言でも使われていますが、活用がなく、丁寧と言うより尊大な言い方です。 現代語の丁寧語デスは、近世末期に江戸の遊郭で発達したと言われています。デゴザリマス>デゴザンス>デアンス>デンス>デエス>デスで、終止形しかありませんでした。時代劇で幇間がデゲスと