夏樹さんの直筆原稿などを展示する「夏樹文庫」で、思い出を振り返る北島享さん(右)と岡村尚さん=21日午後2時ごろ、島田市川根町笹間上 作家夏樹静子さんの訃報を受け21日、夏樹さんが「心の故郷(ふるさと)」として愛した島田市川根町笹間地区の関係者に驚きと悲しみが広がった。 夏樹さんは1945年の終戦間際に最初の疎開先の熱海市から笹間地区に移り、約10カ月間を山あいの町で過ごした。これが縁で、地元住民は89年に「夏樹文庫」を開設。約20年前には夏樹さんが審査員を務める「夏樹文庫作文コンクール」を2年に1度のペースで開催している。 27日には10回目の節目となる同コンクールの表彰式が行われる予定で、実行委員長の岡村尚さん(68)は夏樹さんと年明けから電話でやりとりしてきた。「各受賞者に直筆コメントを寄せてくれたばかりで、とても元気そうだった。もう一度、ここに帰ってきてほしかった」と突然の死を