<日本の未婚者と既婚者の収入を比較すると、女性の場合は結婚によって収入が大きく下がる傾向が見られる> 人の一生はいくつかのステージに分けられる。心身の発達に即して言うと、乳幼児期、児童期、思春期、青年期、成人期、老年期というように区分できる。社会的な役割の上では、教育期、仕事期、引退期という大雑把な分け方が一般的だ。段階ごとの節目には、学校入学(卒業)、就職といったイベントが用意され、自分の役割の自覚を促される。 就労を通して社会の維持・存続に与する社会人であることに加え、人間はまた「家庭人」としての顔も持つ。自分の巣を維持し、未来を担う子どもを産み育て、さらには自由の利かなくなった家族をケアすることだ。いわゆる家事・子育て・介護だが、無給であるにもかかわらずかなりの重労働で、社会人としての仕事と両立するのは容易でない。日本では長らく、仕事は男性、家事・家族ケアは女性という性役割分業で社会