主な放射線が出そろったところで、放射線について詳しくお話ししていきたいと思います。まずは、用語の説明をしましょう。この章では、大切な用語や概念も登場しますし、いよいよ定量的な話も出てきますので、よくよく頭に入れていってください。 同位体のうち、不安定で放射線を出すもののことを、「放射性同位体(Radioisotope)」と呼びます。たとえば、水素の同位体には、天然に存在するものでは、水素1(1H)、水素2(2H)、水素3(3H)のみっつがありますが、このうち、水素1と水素2は安定で、水素3だけが不安定な放射性同位体となります。 ちなみに、この水素だけは特別あつかいされていて、同位体ごとに専用の名前と元素記号が与えられています。水素2が「重水素(デューテリウム)」で記号がD、水素3が「三重水素(トリチウム)」で記号がTです。 放射性同位体を含む物質を「放射性物質」と呼びます。 放射性同位体や