人口7割のドイツにGDPで抜かれた日本｢世界4位で騒ぎ過ぎ｣と語る人たちが分かっていないこと
唐鎌大輔 ［みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト］ Feb. 22, 2024, 06:40 AM ビジネス 39,334 日本は2023年、経済規模の国際比較指標である名目GDP（国内総生産）でドイツに抜かれ、世界4位に後退した。 This image generated by Adobe Firefly 2023年のドル建ての名目GDP（国内総生産）が確定し、日本がドイツに抜かれて世界4位に転落したことがメディアで大きな話題となっている。 両国の順位逆転について、筆者はBusiness Insiderへの寄稿でこれまでも何度かその可能性を指摘し、2023年11月には逆転の見通しが確実になったことをお伝えした上で、とは言えドイツ経済を｢順風満帆、前途洋々とイメージするのは全くの誤認｣と論じた。
サム・アルトマンが動画生成AI｢Sora｣を人々に印象付けた巧みな戦略
Hasan Chowdhury ［原文］ （翻訳：大場真由子、編集：井上俊彦） Feb. 20, 2024, 11:00 AM 深掘り 5,991 OpenAIのCEOサム・アルトマンは、テキストから動画を作成できる新しい生成AIモデル｢Sora｣を発表した。 Justin Sullivan サム・アルトマンがまたAI業界を驚かせた。 2024年2月15日、OpenAIは新しいテキストから動画を作成できる新たな生成AIモデル｢Sora｣を発表した。 忠実性の高い動画を作成する｢Sora｣の能力は、インターネットに衝撃を与えた。 サム・アルトマン（Sam Altman）がまたAI業界を驚かせた。 今回は、衝撃的なOpenAIからの追放でもなく、ChatGPTにも関係ない。｢Sora（ソラ）｣と呼ばれるまったく新しい生成AIモデルのことだ。 2024年2月15日、アルトマンは、日本語の｢空｣か
｢AIとの恋愛｣は依存や孤独をもたらし、プライバシーをできるだけ奪おうとする —— 最新調査
急成長するAI（人工知能）恋愛アプリ分野に関する調査の結果、恐ろしい事実が判明した。 チャットボットが｢毒性｣を助長し、執拗にユーザーデータを詮索していることがMozilla Foundationの調査で分かった。 ユーザーの性的健康や処方されている薬、ジェンダー・アファーミング・ケアに関する情報を収集しているアプリもある。 AIとの恋愛には危険が潜んでいるようだ —— 最新研究によると、チャットボットはユーザーのプライバシーにとって悪夢となる恐れがある。 非営利団体Mozilla Foundationは、急成長するAI恋愛アプリの現状を調べ、11のチャットボットをレビューし、その全てを｢信頼に値しない｣と結論付けた。中でもプライバシーに関する評価は最悪の部類に入るという。 調査に携わったミーシャ・ライコフ（Misha Rykov）氏は｢（恋愛チャットボットは）わたしたちのメンタルヘルスや
生成AIスパムによるインターネットの破壊はすでに始まっている
詐欺師たちはAIを利用し、グーグルを欺くようなウェブページやYouTube動画をアップしてグーグルを攻撃している。 偽の死亡記事を掲載するサイトもある。報道機関のウェブサイトもAIによって抽出されてコピーされている。 結果として、ゴミのような検索結果がグーグルにあふれることは、ユーザーにもグーグルにも悪影響を及ぼす。 ChatGPTが一般公開されてから1年あまりが経過したが、それがインターネットにどのような影響を与えているのかについて、ひとつ予測が現実のものとなりつつある。それはAI（人工知能）スパムがウェブ上に氾濫していることだ。 ちょうどこの2024年1月に、以下のような3つの例があった。 まず、新しいテクノロジー系オンラインサイトの404メディア（404 Media）は、｢人工知能スパムのためにウェブサイトを修正する必要があった｣と書いた。 最近、404 Mediaは、同社のスクープ
ベーシックインカムは労働意欲を減退させない…月500ドルをもらっても人々は働き続けている
Katie Balevic ［原文］ （翻訳：大場真由子、編集：井上俊彦） Feb. 02, 2024, 07:30 AM 働き方 15,038 ベーシックインカム制度の初期の結果によると、低所得世帯への毎月の支給は彼らの成功に貢献したという。 Richard Drury/Getty Images ミネアポリスのベーシックインカム保証制度は、1年後に有望な結果を示した。 2年間のベーシックインカム保証制度では、200の低所得世帯に毎月500ドルが無条件で支給された。 研究者たちは、この支給が受給者たちの経済的な安定を促進し、労働意欲を低下させるわけではないことを明らかにした。 ミネソタ州ミネアポリス市はベーシックインカム保証制度（Guaranteed Basic Income ：GBI）を試験的に導入している。そして、その結果は明るい見通しが立つものだ。 ミネアポリスでは2023年から、2
メタ、業績好調で初の配当を実施…株価は史上最高値を更新
マーク・ザッカーバーグのメタ社は、2月1日の決算発表で史上初の配当を実施すると発表した。 BRENDAN SMIALOWSKI / Getty Images メタが初の配当を実施する。 2月1日、同社は予想を大きく上回る決算を発表した。 マーク・ザッカーバーグのソーシャルメディア大手はまた、500億ドルの自社株買いも発表した。 利益が急増し、株価が史上最高値を更新しているメタ（Meta）が初の配当を実施する。 同社は2024年2月1日、2023年第4四半期および会計年度についての決算報告で、1株当たり0.50ドルの配当を実施すると発表した。 この現金配当は、｢市場の状況および取締役会の承認を条件として｣四半期ごとに支払われる予定だ。 メタのスーザン・リー（Susan Li）CFOは決算説明会で、取締役会の承認が得られ次第、配当金を支払うと述べた。 配当金は2月22日取引終了時点の株主に対し
ザッカーバーグとは何者なのか…20年間の公的な発言を徹底的に分析
マーク・ザッカーバーグがSky documentaryによる新作ドキュメンタリーに取り上げられている。 Samantha Burkardt/ Getty マイケル・ジマーは、メタのマーク・ザッカーバーグCEOによる公的な発言をまとめたデジタルアーカイブを構築した。 ジマーがこのプロジェクトを立ち上げたのは、ザッカーバーグがインタビューでプライバシーの問題を論じたことがきっかけだった。 執拗なほど熱心にザッカーバーグの発言について調査しているにもかかわらず、ジマーはまだ彼のことを理解できないと言う。 マーク・ザッカーバーグ（Mark Zuckerberg）はハーバード大学の学生だった2003年、酔っぱらって｢フェイスマッシュ｣の公開を決めた。その夜以来、彼にとって多くのことが変わった。 当時、彼はコンピューターサイエンスを専攻する19歳の学生で、キャンパスの学生の写真を見てイケてるかイケてな
中国の人口が2年連続で減少…世界第2位の経済大国への影響とは
1月17日に発表されたデータによると、中国の人口は2023年に2年連続で減少した。 これは世界第2位の経済大国にとって悪いニュースだ。 中国政府はすでにデフレ、需要の低迷、進行中の不動産市場の危機と戦っている。 中国の人口は2022年に続いて2023年も減少した。デフレ、不動産危機、経済成長の低迷に悩む政策立案者にとって、これは憂慮すべき兆候だ。 2024年1月17日に発表された中国国家統計局のデータによると、人口は2023年に200万人減少した。中国は60年にわたって急速に成長してきたが、ここにきて2年連続で人口が減少している。 世界第2位の経済大国にとって人口減少が脅威となる理由をまとめた。 懸念を引き起こすデータ 中国の人口は2022年に1960年代以来初めて減少し、1月17日に発表された統計によると2023年も再び減少した。 2023年に生まれた子どもの数は2022年と比べて54万
クレジットカードの審査に落ちる3つの理由とは？ 審査に通らない人が試すべき対策を解説
クレジットカードの審査に落ちたら、まずは原因を究明し、適切な対処を取る必要がある。落ちる理由は人それぞれだが、一度審査落ちしたからといって、二度と申し込めないわけではない。 安定した収入と信頼できる勤務先・勤務形態を示しつつ、申込情報を間違えない、日頃からローンや税金の支払いに遅れないといった対策で、審査通過率はグッと上がる。 ｢審査なしのクレジットカード｣や｢無職でも作れる審査が甘いクレジットカード｣はないが、最短即日にデジタルカード番号の発行が叶うカードもあるので、急ぎの人はチェックしてみよう。 なぜ審査に落ちるのか？ ありがちな3つの要因 クレジットカードの審査に落ちる理由はいくつかあるが、ありがちな要因は次の3つだ。それぞれ、クレジットカードの審査にどのような影響をもたらしているのか、詳しく解説する。 1. 申込情報が正しくない：クレジットカードを作るにあたって、提出する申込内容の
｢AIは人類が発明した最後の技術になるかもしれない｣OpenAIの元幹部が語る
OpenAIの元幹部であるザック・カース氏がBusiness Insiderの取材に応じた。人類が直面している問題の解決にAIが役立つとなぜ彼が考えるのか、その理由を聞いた。 Andrea Verdelli via Getty Images AI（人工知能）が私たちのビジネス、学習、世界との相互作用、さらにはお気に入りの料理の作り方にまで影響を及ぼすなか、最新のAIの進歩はパンドラの箱を開けつつあり、テクノロジーに起因する新たな苦悩が世界にもたらされるのではないかと、一部の研究者は懸念している。 しかし、ザック・カース（Zack Kass）の考えは違う。カースはOpenAI（オープンAI）の元幹部で、同社の社員が100人にも満たなかった頃からのメンバーだった。2023年に退職するまで同社のGo-to-Market部門を統括していた彼は、AIを贈り物だと考えている。 Business Ins
クレジットカードではなく、あえて｢デビットカード｣を使う6つの利点
最近では、買い物の支払いにカードを使うのが当たり前になった。なので、特定の種類のカードをほかの種類のカードよりも優先して使う理由などを考えたことがない人も多いだろう。 以前から、ほとんどの料金はクレジットカードで支払うべきだと言われてきた。その一方で、デビットカードを利用することには、いくつかの利点がある。 実際、消費者の支払い習慣について連邦準備制度（FRB）が2022年に行った調査では、デビットカードが｢最も多く利用されていて、最も一般的に好まれている｣支払い方法であることがわかった。アンケートに答えた人で、クレジットカードを好んで使うと答えたのは32％だったのに対して、44％がデビットカードでの支払いを好むと答えた。 以下、デビットカードの利点を6つ紹介する。 1. 借金ではないので高い利子が付かない デビットカードで支払った金額はすぐに預金口座から引き落とされるので、クレジットカー
ヒット連発、Netflixアジアの制作トップは韓国人女性。成功の理由は｢世界を目指さない｣こと
Netflixでアジアのコンテンツ統括を務めるキム・ミニョンさん。｢イカゲーム｣など多くのヒット作を手掛けた。 撮影：竹下郁子 Netflix（ネットフリックス）のコンテンツ制作でアジア（インドを除く）のトップを務めているのが、韓国人女性だということをご存知だろうか。 ｢イカゲーム｣｢愛の不時着｣｢梨泰院クラス｣｢キングダム（韓国作品）｣……。 これらのヒット作品全てを仕掛けたのがキム・ミニョンさん、Netflixアジアコンテンツ部門のバイス・プレジデントだ。 韓国作品が世界でヒットを飛ばすたび、日本で必ずと言っていいほどささやかれるのが｢韓国は世界を向いているから（それに比べて日本は……）｣という“ぼやき”。 ところがキムさんは｢自国でのヒットこそが成功だ｣と言い切り、グローバルヒットを狙うスタッフを｢ここには海外行きのチケットはない｣と諭（さと）す。アジアのリソースを欧米のためには割か
2023年は暑かった。こんなに暑いのは数百年ぶり？ いいえ、10万年ぶりでした
2023年は、1850年以来最も暑い年になったと発表された。 古代の氷床コアや木の年輪などから得られたデータを分析した科学者によると、世界がこれほど暑くなったのは10万年ぶりのことだという。 温室効果ガスによる汚染が暑くなった主な原因だが、その他の要因についても調査が進められている。 2023年の灼熱の夏を乗り切った人なら、昨年が観測史上最も暑い年だったと言われても驚かないだろう。だが、気温上昇を追跡している気候科学者にとって、高温状態がさらに高まっていることは衝撃的なことだ。 欧州連合（EU）のコペルニクス気候変動サービス（C3S）が2024年1月9日に発表したところによると、地球の平均気温は、産業革命前（1850～1900年）の平均より摂氏1.48度上昇したという。最新の平均気温は2016年の記録を上回った。そして最も憂慮すべきことは、前年比での上昇幅が観測史上最大となったことだ。 C
【2024米大統領選】デサンティス氏撤退… その選挙戦はミッキーマウスとの人気投票に打って出た時点で終わっていた
フロリダ州知事ロン・デサンティス氏とミッキーマウス。 AP Photo/Michael Dwyer; AP Photo/Ted Shaffrey, File 2024年の大統領選に参戦する前、フロリダ州知事ロン・デサンティス氏は自身の"保守的な実績"を誇らしげにアピールしていた。 ただ、"ディズニーとの戦い"が当初から自身の立候補の妨げとなった。 "ディズニーとの戦い"は、デサンティス氏が期待していたような形で共和党予備選の有権者に支持されることはなかった。 2024年のアメリカ大統領選挙の共和党候補指名をめぐり、トランプ前大統領を追い抜こうとしたフロリダ州知事のロン・デサンティス氏にとって、アイオワ州の予備選で大差をつけられての2位に甘んじたことや、ニューハンプシャー州の予備選の直前に行われた世論調査で散々な結果となったことは、大いなる誤算だった。 デサンティス氏は1月21日に共和党候補
出生率1.1割れの中国、専門家が｢子育て支援策だけでは改善不可能｣と考える事情
浦上 早苗 ［経済ジャーナリスト/法政大学IM研究科兼任教員］ Jan. 23, 2024, 06:30 AM 国際 6,156 中国国家統計局は1月17日、2023年の出生数が前年比54万人減の902万人だったと発表した。1949年の建国以来の最少を3年連続で更新した。2023年末の人口は同208万人減の14億967万人で、2年連続で減少した。 2016年に一人っ子政策を廃止したにもかかわらず、中国は想定以上のペースで少子化が進んでおり、国連は中国の2100年の人口が7億6667万人に減少すると試算する。日本は労働力の減少による人手不足など人口減の影響が既に顕在化しているが、中国の専門家は自国の状況をどう見ているのだろうか。主な分析、提言をまとめた。 他国より急ピッチで出生率低下 2023年の主要統計発表の前日に中国国務院（内閣に相当）が公表した｢中国発展報告2023年｣は、人口問題に1
Z世代は最も孤独な世代。親の期待、成果へのプレッシャー…要因は成長期の経験
Z世代はいろいろな意味で興味深い。 彼らは、その上のどの世代よりも公の教育年数が長く、高校中退率も低い。薬物の使用を避ける傾向があり、10代の妊娠率も低くなっている。情報に精通した消費者でもあり、テクノロジーの使い手でもある。誤った情報や陰謀説に流されることも少ない。 しかし、こうした特質を持ちながらも、多くのZ世代は驚くほど孤独でもある。 医療保険会社のシグナが2020年に委託した大規模調査によると、Z世代ほど社会的断絶を強く感じている世代はないという。確かに、若者は通常孤独感が強いものだが、Z世代の状況は、コロナ禍に起因する厳しい社会的孤立によって悪化していることは事実だ。 しかし、新型コロナウイルスが全面的に悪いというわけでもない。Z世代が全体的に孤独を感じているのは、これまでの世代との経験の違いに起因していることにある。 1996年から2010年代初頭までに生まれたZ世代の変化は、
お金を使いすぎていることを示す、4つの兆候
長引くインフレと生活必需品の高騰により、生活全般が割高になっている。筆者が取材してきた中で、多くの人が懸念しているのは、緊急事態が発生したときにうまく対応できるかどうかだ。また、生活費をすべて支払い、貯蓄に回せるだけのお金が残っているどうかを心配する人もいる。 生活費の支払いに困っていたり、お金のことで悩んだりしている人は、自分ではそう感じていなくても、使いすぎている可能性がある。 ここでは、お金を使いすぎていることを示す4つの兆候を紹介する。 1．常にクレジットカードの負債を抱えている クレジットカードの利用にはメリットが多い。カードの種類によっては、特典やポイント、さらにはキャッシュバックが得られることもある。しかし、これは請求額を全額返済できる場合にのみ有効だ。 クレジットカードに頼らないと支払えない、あるいは毎月一定の貯金を切り崩さないと支払えないという場合は使いすぎている可能性が
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