厚生労働省の2020年度の診療報酬改定で、精神疾患を抱えながら病院に通えず、ひきこもり状態にある人の家を医師が訪ねる精神科訪問(在宅)診療に関する項目が21年3月で廃止されることが、30日までに分かった。これを受け、沖縄県内で10年以上、精神科訪問診療を実施してきたクリニックは運営を維持できず9月末で閉院した。(「家族のカタチ」取材班・勝浦大輔) 本島内のアパートに車を止めると、慣れた様子で玄関をくぐる。閑散とした部屋。畳間に敷かれた布団に、40代の男性が寝転がっていた。「調子はどうですか?」。那覇市の精神科医、玉城尚さん(54)が明るく話し掛けた。 男性は寝たまま、起き上がろうともしない。玉城医師が布団の横に座り様子をうかがうと、男性は不機嫌そうに「体調が良くない」とボソリ。玉城医師は「今日は、やめておきましょうね」と軽く声を掛け、さっと男性宅を後にした。 統合失調症や不安障がい、トラウ
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