年は明けて2010年。バイト行ってクラブ行ってパッドを叩くだけの日々の中で待ち続けた、ゴールドフィンガーズキッチン一般公募が始まった。出場者の半分は予め運営側がブッキングしていて、残り半分を募集している。メールで応募したら特に審査などは無く、ビックリするぐらいあっさり出場は決まった。当時からMPCで演奏する人間なんてのは少なかったのだ。出場が決まってからはより一層演奏にのめり込んで行く。 大会にエントリーした事を知ったマチーデフことマチさんが、俺の武者修業も兼ねてストリートライブをしようと提案してきた。マチさんがそのために買って来たデカいバッテリーパックとアンプを持って下北沢や渋谷に繰り出し、MPC演奏とマチさんのラップでゲリラ的にライブをしていた。マチさんはこの時から自分が有名になる事よりもまず「ラップに縁がない人達にもラップを聴いて欲しい」という思いがあり、道行く人達に向かってその信念
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