イタリア、フィレンツェにあるメディチ家礼拝堂の下にある「隠し部屋」。壁に炭でさまざまなデッサンが描かれている。これまでずっと非公開だったが、試験的に一般に公開される運びとなった。(PHOTOGRAPH BY PAOLO WOODS, NATIONAL GEOGRAPHIC) イタリア、フィレンツェにあるメディチ家礼拝堂の美術館長だったパオロ・ダル・ポゲット氏は、1975年、ルネサンスの宝を発見した。 来場者用の新しい出口を設けようと建物を調べていたとき、ダル・ポゲット氏らは、メディチ家の君主たちの豪華な墓を収めた新聖具室の近くにある衣装棚の下に、扉が隠されていることに気付いた。跳ね上げ式の扉を開けると、細長い部屋へと続く石段が現れた。部屋には炭が詰め込まれており、物置か何かにしか見えなかった。 ところが、部屋の壁には、高名な芸術家ミケランジェロによるものと思われる炭とチョークのデッサンが描