正月三が日からキャバクラへ行ったのは、妻への報復である。断じてキャバ嬢の優ちゃんから新春サービスのお知らせをもらって浮かれたからではない。少し遡るが妻は、北九州地方在住のヤリ友(槍の作成を趣味とする友人)の家へ泊まりにいっている。新婚早々正月不在。それだけでも許しがたいのだが、久しぶりに会った友人と、北九州一の繁華街中州にあるゲイバーへ行きたいなどという。 なるほど、出立前の嬉々とした様子はこの謀略のためか。「ゲイの為なら女房は中洲」とはよく言ったものだ。夫としての威厳と器の大きさを示し、僕は許しを出し、報復としてキャバクラへ走ったわけだ。もっとも、実際は僕が妻へキャバクラ行きを打診し、それに応じて妻が中洲ゲイバー行きを交換条件で出してきたのだが、結果として夫婦共々繁華街にでかけることになったのであるから、前後関係、因果関係はこの際どうでもいいはず。時が未来へすすむと誰が決めたんだ? 歯間