共産党一党独裁ならではのスピードでテクノロジーによるハイテク監視社会化を推し進めている中国。監視社会化というと、どうしても私たちは、ジョージ・オーウェルが描いたディストピア小説『1984』のような、ネガティブな印象を持ちがちだ。だが、梶谷懐さんとの共著『幸福な監視国家・中国』(NHK出版新書)を上梓した高口康太氏は、少し違った現状認識を持っている。本当の内情はどうなのか。詳しく話を訊いた。 名前や行動、すべてが監視される中国の“今” 中国では高速鉄道や長距離バスに乗るのにも身分証の提示が必要。街中のいたるところに監視カメラが設置され、その数は2億台にものぼるという。 中国では顔認証技術を用いて個人レベルでの特定が可能となっている。 ほぼあらゆるスマートフォンアプリには電話番号による実名認証が必要で、身分証やパスポートと紐付けられているため、中国政府が問題視する発言があった場合、すぐに身元が