「野蛮な成長」が企業を育てる? 「野蛮な成長」という言葉が中国のメディアではしばしば使われる。 中国は成長途上の国なので、新しい画期的な技術や手法がビジネスに投入されると、そこは法的に空白地帯で、「なんでもあり」「やったもの勝ち」の爆発的拡大が起きる。そこに多額の投資資金が集まり、無数のスタートアップ企業が育っていく。これが「野蛮な成長」である。 しかし、そこには当然、問題が噴出する。一通り問題が出尽くしたあたりで当局が規制に入り、法律ができて、「野蛮な成長」は終わる。新しいことをやる時、先のことは誰にもわからない。だったら事前に周到に計画するよりは、とにかくやらせてみて、問題が出たら誰かを見せしめにし、そして新しいルールを世の中に知らしめ、新技術の都合のよいところを活用する――というのが中国の統治者のいつもの手段である。 顔認証技術が中国の社会に広く知られるようになったのは2012年、北