――音楽に話を絞ると、90年代には“渋谷系”ムーブメントも訪れますが、あれは“サブカルチャー”とみなすべきでしょうか。 「90年代はじめに“オタク”は流行語になり、その後、普通の言葉になっていきましたが、最初は、どんなジャンルのコレクター、マニアも“オタク”と呼んでいました。だから、過去の多くの音楽を参照し、コレクター気質のある渋谷系も“オタク”と形容されたことがありましたが、今ではあまりいわないでしょう。マンガ、アニメ、ゲームなど“オタク”は二次元中心というイメージが広まりましたから。 一方、音楽ジャンルを相対的に見て、様々な要素を批評的にピックアップし、組みあわせ、従来とは違う価値を与えるのは“サブカル”的ですよね。その意味で、渋谷系は“サブカル”的だった。でも、様々な要素をDJ的に組みあわせる手法が“サブカル”だとしたら、ヒップホップはなに? という話になります。音はそんな風に作られ