菊地直子被告の高裁判決を聞いた瞬間に思いました。「この裁判官、裁判員制度嫌いなのね」って。私、オウムの事件にはちょっと詳しいんです。1995年春、当時のオウム真理教青山総本部で刺殺直前の村井秀夫氏にインタビューしたり、上祐史浩氏に生放送中のスタジオに乱入されたりしましたからね。 菊地被告が、爆弾の材料を「何かの劇薬物」と知って運んだのが、地下鉄サリン事件から1か月後のことです。この頃、オウムの幹部はもちろん、多くの国民も「一連の事件はオウム真理教によるもの」と思っていました。高裁は、「菊地被告が、自分が運んだ劇薬物が何に使われるのか認識していなかった可能性がある」って主張していますが、一言でいえば「非常識」な判決でしょう。 そもそも自分がやったことが違法だと認識していなければ、日本中の交番前に手配写真があるのを知りながら、17年間も逃亡を続けたりしませんよね。結果の重大性に鑑(かんが)