13年前に撮影された11分間の映像。 そこには、大津波の様子が克明に記録されていました。 茶色く濁った海水はあらゆるもの飲み込み押し流しました。 「何もできません、地獄です…」 撮影した男性のことばが、すべてをものがたっています。 この映像は2年前動画投稿サイトで公開されるまで、一切メディアに取り上げられることはありませんでした。それでも今回初めて撮影した男性がNHKの取材に応じてくれました。 (盛岡放送局 記者 川原玲奈) あの日 東日本大震災が発生した2011年3月11日。 新沼暁之さんは大船渡市内で買い物をしていました。 大きな揺れが続き、真っ先に頭に浮かんだのは“ただ事ではない。津波が来る”ということでした。 まず妻の安全を電話で確認。そして市内三陸町越喜来地区にある高台の自宅へ向けて車を走らせました。 大船渡市中心部から高台にある自宅へ 「津波が来る」と、いつもとは違う道を選びま