米Apple Inc.がタブレット型端末「iPad」を発表して以降,そこかしこでiPad登場のインパクトを議論する声が聞こえてきます。「iPadは新しいコンピューティングの時代を拓くデバイスだ」「パソコンのヘビー・ユーザー以外は,これ一台で済む」という絶賛派から,「何がすごいのか分からない」「世界初のPDAと言われたApple Newtonの二の舞になる」との懐疑派までさまざまです。 個人的な意見としては,「少々肩透かしをくらった」というのが正直なところです。筆者は2010年1月初頭に開催された「2010 International CES」で,数多くのタブレット型端末の試作品を目にしました。その時感じたのが,「タブレット型端末はハードウエア面で決定的な差異化をするのは難しい」ということです。プロセサやディスプレイの選択肢はさまざまですが,ユーザーから見れば,どれも“板型の端末”だからです