米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)評価書の提出時期を巡って、田中聡・沖縄防衛局長が性暴力に例える不適切な発言をした問題で、沖縄から激しい憤怒の声が噴き出している。過去にも政府高官らによって繰り返されてきた沖縄県民の神経を逆なでするような問題発言。「これが沖縄を差別する国の本音だ」。沖縄の人々には、怒りを通り越し、あきらめの表情すら浮かんだ。【阿部周一、福永方人】 沖縄県の市民団体「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の桑江テル子幹事(73)=沖縄市=は「沖縄を、人をバカにするにも程がある」と憤慨した。「犯す」という言葉に桑江さんが真っ先に思い出したのは95年の米兵による少女暴行事件。「あのとき犯されたのは少女一人じゃなく、沖縄全体なんです。だから事件以来、米軍基地撤廃が県民の総意になった」 桑江さんは「沖縄戦で犠牲になり、戦