www.youtube.com この曲をイメージして書いた短編です。お読みいただければ、とても嬉しいです。 My funny Valentine My funny Valentine 仕事帰りに寄ったカフェは半地下にある。 レンガ造りの赤っぽい階段は色がはげ目地が黒ずみ、いかにも古い。五段ほど降りると、扉の向こう側から古いジャズ曲がもれてきた。 My funny Valentine(マイファニーバレンタイン) このカフェ、いつもは朝に立ち寄りエスプレッソで目覚める場所だ。夜に来たのははじめてで、気になるバイトの男の子がいた。智昭という大学生だ。彼に出会ったとき、わたしは32歳だった。 昼間とはふんいきが違い気怠い曲が流れている。トランペットがささやき、人々のざわめきに混じって歌声が耳に届く。 重くて古い扉を肩で開けて中に入る。両手が経済新聞とビジネスバッグでふさがっていて、閉じた時にスカー
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