2013年03月06日21:55 カテゴリコラム 是川銀蔵と言う人 1983年の高額納税者番付で1位となり、「最後の相場師」と言われた是川銀蔵。一昔前なら、相場をやっていてその名を知らぬ者は居ないと言う存在だったのだろうが、僕くらいの世代だとあまり名前を耳にすることもなかった。数々の仕手戦を手がけたとも言われ、相場師と言う呼称が持つイメージも相まって、僕はこの人のことをてっきり生粋の山師だと思い込んでいた。最期には借金を残したとも言われるから、日本版リバモアのような人であったのだろうと勝手に想像していた。そして、改めて氏の自伝を読んでみてあまりの衝撃を受けたので、その感想をここに残しておきたい。 是川銀蔵は貧家の出で、14歳の時に貿易商の丁稚となるが、この会社が倒産すると独立を決意。単身で中国へ渡り、その才気によって若干16歳にして日本軍の御用商人の地位を獲得、利益を上げることに成功する。