韓国の国立図書館におけるデジタル化資料の送信サービス 韓国では,図書館が,自館でデジタル化した資料の他館への送信を可能とする規定が著作権法に設けられ,この規定に基づき,韓国の国立中央図書館(NLK)と国会図書館(NAL)が他の図書館等に対して送信サービスを行っている。韓国の場合,すべての図書館等に対して送信することを認めていたり,海外の機関が送信先に含まれていたり,資料のデジタル化や他の図書館等への送信にあたり補償金の支払いが必要であったりといった,日本における国立国会図書館(NDL)によるデジタル化資料送信サービスとは異なる特徴がみられる。 そこで本稿では,韓国著作権法における関連規定の内容を紹介した上で,NLKとNALで行われているデジタル化資料の送信サービスの枠組みについて紹介する。 ●韓国の著作権法におけるデジタル化資料の送信に関する規定 韓国の著作権法では,著作権法施行令第12条