東日本大震災で被災した石巻日日(ひび)新聞社(宮城県石巻市)が震災直後、フェルトペンの手書きで発行を続け、避難所などに張り出した壁新聞が14日、横浜市中区の日本新聞博物館で展示された。 米ワシントンの報道博物館「ニュージアム」での展示を知った新聞博物館が同社から借り受けた。当初は29日まで展示する予定だったが、好評のため延長する方針。 同紙は1912年創刊で、震災前まで夕刊1万4千部を発行していた。同社によると、停電や浸水で編集、印刷設備が使えなくなり、震災翌日の3月12日から電気が復旧するまで6日間にわたり、記事や見出しを新聞印刷用のロール紙に書き込んだ壁新聞を作り、石巻市内の避難所など計6カ所に張り出した。 川崎市の主婦井出勢津子さん(51)は「必死で制作した使命感が伝わってくる。手書きに温かさを感じた」と、壁新聞にじっと見入っていた。 日本新聞博物館では東日本大震災報道写真展も開催中