活字が埋める心の隙間 被災者の声受け、書店復興相次ぐ2011年6月3日10時58分 印刷 Check 店舗が流された桑畑書店は4月下旬、釜石商工高校の教室を借りて教科書を販売した。右が真一さん=釜石市大平町 再開した「カムイコタン」の村上浩一さん=気仙沼市田谷 書店仲間からパソコンなどが贈られた及新書店の谷沢賢一さん=釜石市上中島町 東日本大震災の被災地で、本や店舗、経営者を失いながらも再開する書店が相次いでいる。そこには、様々な思いを胸に活字や人とのつながりを求めてやってくる客たちがいる。 岩手県釜石市の「桑畑書店」は、津波で店舗が壊れ在庫は流された。社長の桑畑真一さん(57)は、がれきの中から古い顧客名簿を見つけた。 店はなくても、顧客に本は届けたい――。名簿と記憶を元に、およそ500人の客を自転車で訪ねて回った。雑誌の定期購読を続けるかどうか確認すると、約9割が「継続したい」という答