東日本大震災からの地域コミュニティーや文化復興を考えるシンポジウム「地域の再生 文化の継承」が11月19日、大阪市北区のエルセラーンホールで開かれた。開演に先立ち、江戸時代から続く岩手県釜石市の門外不出の神事「南部藩(なんぶはん)壽松院年行司支配太神楽(じゅしょういんねんぎょうじしはいだいかぐら)」が披露され、県外初公演となる伝統神楽が会場を魅了した。 続いて作家・荒俣宏氏と国立民族学博物館の吉田憲司氏の対談や、次世代への文化継承を考えるパネルディスカッションが開かれ、活発な議論が交された。 吉田 荒俣さんは東日本大震災の被災地に何度も足を運ばれています。今回の震災でどんなことを感じましたか。 荒俣 一番強く感じたのは石のすごさですね。多くの物が流されるなかでも石は残る。最も伝承力のある素材だと思いました。 吉田 被災地ではガレキのなかで伝統芸能が活発に奉納され、人間が生きていくうえで要の