本書『サルたちの狂宴』は、ゴールドマン・サックスでクオンツとして経歴をスタートさせ、シリコンバレーで起業した会社をTwitter社に売却し、Facebookにジョインした著者による激闘の日々を綴ったIT戦記である。起業し売却しFBに行ってとその経歴は華々しく物凄いが、いうても起業して売り抜けた起業家も、FBのプロダクトマネージャーも何十人もいるわけで、うーん、だから何なんだよ? 感もある。 ところが、これがべらぼうにおもしろいのである! 本書の価値は、まず第一に著者本人のあまりにおもしろいキャラクター性にある。ずば抜けて頭がいいが、負けん気が強くかなりの畜生で、自虐を取り混ぜながら絶え間なくジョークを文章の中に仕込み続け、全方位へ向かって皮肉を撒き散らしていく。時にその皮肉はひたすらに攻撃的だが、それが嫌な気分にさせるようなものではなくて──、思わずウンウンと頷かされてしまうようなきっちり
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