「311情報学 メディアは何を伝えたか」(岩波書店)は、東日本大震災に際して、テレビや新聞、ネットなどによって大量に生み出され、消費された情報を実証的に分析し、全体像を理解するための見取り図を提案しています。報道の成果であり、メディア各社の収益源と位置づけられているアーカイブ(データベース)のありようも含めた画期的なメディア論になっています。特に地域に由来するメディアの今後の地域戦略を考えるうえで、非常に新鮮で可能性に満ちた視点が注目されます。 「311情報学」は国立情報学研究所教授で「連想情報学」を提唱している高野明彦さんを代表者に、東大大学院情報学環教授の吉見俊哉さん(社会学・文化研究、メディア研究)、独立行政法人防災科学技術研究所客員研究員の三浦伸也さん(社会学・社会情報学)が執筆しています。 「第1章 311情報学序説」で吉見さんは日常生活圏、マスメディア圏、インターネット圏、専門