武蔵野の面影が色濃く残る東京・小金井界隈。鶴巻麻由子さんは、そこで珈琲屋台を営んでいる。花屋の店先や公園など、心地よい場所でおいしい珈琲をゆっくりと。鶴巻さんがやっていることは、私たちの今とこれからに多くのヒントを与えてくれる。 ──初めて鶴巻さんの珈琲と出会って3カ月と少し。出茶屋と鶴巻さんをめぐる話は、早くも最終回を迎えた。出茶屋に集う人たち、そこでいい味出してるモノたち、それにおいしい珈琲。出茶屋に行くたびに元気をもらったっけ。なぜ、鶴巻さんの周りには元気のタネが集まるのだろう。出茶屋と鶴巻さんのこれまでと、今と、これからについて伺いながら、そのヒミツを探ってみた。まずは「なぜ珈琲?」という素朴な疑問から。 大学生のころ、本屋街の神保町にある喫茶店でウエートレスのアルバイトをしました。珈琲を飲みながら本を読んでいるお客さんなど、本屋街の喫茶店特有の空気感がとても好きだったんです。いざ