各界の著名人に愛してやまないアーティストについて話を聞くこの連載。第28回は台湾出身のマンガ家 / イラストレーター高妍をゲストに招いた。彼女は、さる5月に初の単行本「緑の歌 - 収集群風 -」を上下巻で発表。本作では、台湾で暮らす少女・緑(リュ)が、はっぴいえんどの楽曲「風をあつめて」との出会いをきっかけに、日本の文化を通じて新しい世界と出会う姿が描かれている。そんな「緑の歌」において、主人公の緑を魅了してやまない特別な存在が、元はっぴいえんどのメンバーでもある細野晴臣だ。高妍が細野への敬愛の思いを流暢な日本語で語ってくれた。 取材・文 / 松永良平 撮影 / 小財美香子 浅野いにおのマンガで知った「風をあつめて」私にとって、はっぴいえんどの「風をあつめて」は、人生の階段を上がるたびに聴いている曲。聴くたびに違う音が聞こえてくるんです。初めて「風をあつめて」を聴いたのは、私がまだ高校生の