今回の参院選は「山本太郎の勝ち」である。それは候補者としての勝ちではない。れいわ新選組の“プロデューサー”としての「勝ち」だ。これは山本が落選しても揺るがない。以下、理由を並べる。 まずは党名。山本は4月に「れいわ」の結成を発表したが、総務省への届け出は4月1日。菅官房長官が新元号「令和」を発表した当日だ。日本では、既存の政治団体と同じ名前の団体は登録できない。誰よりも早く届け出ることで、新元号にあやかろうとする他の勢力の動きを封じ込めた。 続いては、有権者を巻き込む戦略だ。山本は結党会見で「候補者を何人擁立するかは、皆さまの寄付額で決めます」と全国に寄付を呼びかけた。 ファンを巻き込む手法はAKB総選挙に似ている。支持者は「推しメンを育てるために寄付しよう」と考える。山本は誰もが当事者として参加でき、結果を楽しみにする仕組みを作っている。 その結果、寄付額は公示前までに2億5000万円を